ケーススタディ

圧倒的勝者:フォトレジストのサクセスストーリー

フォトリソグラフィプロセスは、エレクトロニクス産業で不可欠な要素の1つです。このプロセスで使用されるフォトレジストは感光性材料で、基材表面のコーティング層にパターンを形成します。しかし、このプロセスは、製造工程で使用される基材のダメージを招く可能性があります。

エッチングプロセスで金属配線問題に遭った、半導体産業のあるデバイス・エレクトロニクス材料メーカーがNAGASEグループにアプローチしてきました。そのお客様は、エッチングプロセスを省くことで、エッチングプロセスで使用される強酸やアルカリなどの化学品によるダメージから基材を守ることができると考えていました。一般的に、リフトオフプロセスはエッチングプロセスを省く手法として広く知られています。一方、リフトオフプロセスの1つである2層プロセスについては、複数のお客様から以下の問題の報告がありました。

  • それ自体の剥離性や溶解性が不十分
  • 利用できるレジストの形状が限定的
  • 下層材料と上層材料のインターミキシングの発生

これらの問題に対処するために、お客様は製造プロセスで踏むステップの数を増やさなければなりませんでした。さらに、その増えたステップを遂行するために、追加の材料も必要となりました。作業時間と材料が増えたことで運営費がアップし、利益幅が著しく縮小しました。このコスト上昇分を顧客基盤に転嫁することを望まなかったお客様が求めていたのは、ソリューションです。

 

試験・評価・連携手法

  • 優れたパターニング技術の導入
  • 高さの違いへの対処
  • 金属のバリ(金属片に発生する突起やギザギザ)防止

お客様は、中空構造の製作に適した独自の形状のレジストが必要だと強調しました。先方が目指すゴールは、必要な製造・加工時間の短縮と、使用する材料数の削減です。そして、エッチングプロセスを省くことができる、パターニング材料を見つけて、これを実現することを望んでいました。

ナガセケムテックスチームは、高度接着用途がお客様の役に立つとの結論に達しました。そこで、リフトオフプロセス用のユニークなフォトレジスト(感光性材料)を開発しました。この開発は、フォトレジストのパターニング、金属成形、フォトレジストの除去の3つのステップから成る行動計画に従い行っています。

 

調査と分析

ナガセケムテックスは一連のコーティングプロセスをカスタマイズし、レジスト組成を微調整しました。そのサンプルの評価結果を基に、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルに従い、製品のさらなる改善と処方のさらなる調整を行いました。その成果と、お客様の問題への答えが、2層リフトオフプロセス用下層材料「BLX シリーズ」の開発です。数あるこの材料のメリットの1つに、さまざまな上層レジストにインターミキシングなく適用できることがあります。また、上下層でさまざまな膜厚設計も可能です。最後に、プロセス条件によりサイドエッチング量を任意に調整でき、多用途です。

 

仮説と検証

結果は成功でした。BLXシリーズが、既存の2層リフトオフプロセスの下層材料では対応できなかった、パフォーマンスとコストの問題を解決したのです。最終結果として、BLXシリーズがお客様の製造工程を短縮し、使用する材料数を減らすことを可能にしました。これらのメリットはお客様の最終的な損益(ボトムライン)とサステナビリティに多大な貢献をしました。

 

結論

NAGASEグループはお客様が直面する独自かつ難しい課題の解決に成功しています。この事例では、半導体産業のデバイス・エレクトロニクス材料メーカーであるお客様は、特殊な形状の高解像度レジストを求めていました。わたしたちは、高度接着用途がこのお客様の役に立つと気づき、3つのステップから成る行動計画に従い、リフトオフプロセス用のユニークなフォトレジスト(感光性材料)を開発したのです。BLXシリーズを利用することで、お客様はコストを削減し、売り上げを伸ばし、 最終的な損益を明らかに改善させています。

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